実施概要

数学カフェの番外編として、Alwe @Alwe_Alwe と たけのこ赤軍 @691_7758337633 の高校生二人がそれぞれ証明論と絶対数学に関する講演を行います。

実施日時: 6 月 2 日 13:00 - 17:00

（入場は12:50から）

実施場所: 東京都目黒区中町一丁目6番23号 油面住区センター 第二会議室

東急東横線　祐天寺駅から徒歩17分、東急バス　目黒消防署バス停から徒歩3分

発表者紹介

講演者 1: Alwe (Twitter: @Alwe_Alwe)

東京の高校三年生。数学基礎論、順序数による証明論、計算論、集合論に興味。

講演者 2: たけのこ赤軍 (Twitter: @691_7758337633)

大阪の高校二年生。多重ガンマ関数・多重三角関数の理論や量子解析学 (q-解析) に興味。つい先日、論文 ``The q-multiple gamma functions of Banres-Milnor type" で arXiv デビュー https://arxiv.org/abs/1905.08068 した。

Abstract

[第 I 部] 証明論は「数学における証明がどのような性質を持っているのか」について調べる数学基礎論の中の一分野です。現代的な証明論はHilbertによって確立され、さまざまな性質が示されました。 今回の講演では、証明論において「どのように証明が形式化されているのか」ということから始め、Gentzenによる証明論の基本となる定理「カット除去定理」とその応用として「自然数に関する公理系がどのような性質をもつのか」ということを順序という観点から解析します。また私がいま勉強している順序数解析についても触れていきたいと思っています。

[第 II 部] 黒川信重先生による「絶対数学」の理論は Riemann 予想解決に向けて作られたもので、一元体という仮想的な対象上の数学を扱います。中でも、絶対数学の花形といわれる多重ガンマ関数・多重三角関数の理論は新谷卓郎先生による総実代数体の類体構成というテーマへの応用をもって数論的にも注目を浴びてきています。 本講演では、絶対数学の花形ともいえる多重ガンマ関数の理論の入門的解説を行います。さらに、自然に想起される一般化である量子化 (q-類似の構成)を行い、私の論文の概要にも触れていこうと考えています。

タイムテーブル

Reference

[第 I 部]

新井敏康(2011). 数学基礎論. 岩波書店.

W. Pohlers, Proof Theory, The First Step into Impredicativity, Springer, 2009.

[第 II 部]

黒川信重, 現代三角関数論, 岩波書店 (2013).
黒川信重, 小山信也, 多重三角関数論講義, 日本評論社 (2011).
若山正人, $\Gamma$ と $\zeta$ ゼータの行列式表示に向けて, 応用力学研究所研究集会報告 No.16ME-S1, "非線形波動の物理と数理構造", No. 22.
E. W. Barnes, "On the theory of the multiple gamma functions", Trans. Cambridge Philos. Soc. 19 (1904), 374--425.
F. H. Jackson, "The basic gamma function and the elliptic functions", Proc. Roy. Soc. London. A. 76 (1905), 127--144.
K. Katayama, M. Ohtsuki, "On The Multiple Gamma-Functions", Tokyo J. Math. 21 (1998), 159--182.
H. Kawamura, "Asymptotic Expansion for the multiple gamma functions of Barnes-Milnor type", preprint.
H. Kawamura, "The $q$-multiple gamma functions of Barnes-Milnor type", preprint.
N. Kurokawa, H. Ochiai, "Generalized Kinkelin's formula", Kodai Math. J. 30 (2007), 195--212.
N. Kurokawa, M. Wakayama, "Generalized zeta regularizations, quantum class number formulas, and Appell’s O-functions", Ramanujan J. 10 (2005), 291--303.
N. Kurokawa, M. Wakayama, "Period deformations and Raabe's formulas for generalized gamma and sine functions", Kyushu J. Math. 62 (2008), 171--187.
J. L. Raabe, "Angen\"{a}herte Bestimmung der Function $\Gamma(1+n)=\int_0^{\infty} x^ne^{-x}\,dx$, wenn $n$ eine ganze, gebrochene, order incommensurable sehr grosse positive Zahl ist", Crelle J., 28 (1844), 10--18.
G. Shibukawa, "Bilateral zeta functions and their applications", Kyushu J. Math. 67 (2013), 429--451.
T. Shintani, "A proof of the classical Kronecker limit formula", Tokyo J. Math. 3 (1980), 191--199.
H. Tanaka, "Multiple gamma functions, multiple sine functions, and Appell's O-functions", Ramanujan J. 24 (2011), 33--60.

諸注意

• 会費は飲み物代とお菓子代、講師の方の交通費・宿泊費・お礼に充てさせて頂きます。
• オリジナル資料を使用する場合、事前にオンライン配布し印刷はしませんので各自ご用意ください。

数学カフェの勉強会に参加するメンバーの多くが、貴重な休日を割き、熱意を持って参加しています。真剣に学ぶ最高の場にするため、そして、誰にとっても安全な環境を保証するために、以下の行動規範を必ず守って参加することにご協力ください。

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